2009年2月21日土曜日

ベンジャミン・バトン

2/11に、観たい観たいと思っていた、「ベンジャミン・バトン」を観てきました。私はブラッド・ピット大好きなので、彼が出演しているだけで満足なのですが、いい作品でした。デヴィッド・フィンチャーの作品は暗い、よくわからない、ってことが多いのですが、この作品のメッセージはわかりやすかった。まあ暗いのは暗いんですが。

老人の姿で生まれたベンジャミンは、幼いころから長くは生きられないと言われ続け、また老人ホームを営む家で育ったため、身近に死を感じるところにあったし、作品中でも人が死にまくります。たくさんの死に立ち会うベンジャミンは意外と淡々としていて、それがいっそうそのシーンを引き立てます。

ベンジャミンはヒロインのデイジーを生涯愛し続けるのですが、二人の関係が切なく考えさせらます。普通、恋愛や結婚だけでなく、すべての重要な縁というのは、それぞれが自分の人生を歩んでいて、どこかでその道がぶつかり、癒着して二人の道になっていくものです。ただ老人で生まれどんどん若くなるベンジャミンにとっては、他のすべての人と逆向きの道を歩いているようなものです。皆が老いていく中で若返るわけですから、ベンジャミンの人生と他の人の人生は交差するしかありえないし、深い関係を築ける期間はほんの一瞬になります。

デイジーとはずっと一緒にいるのですが、人生が90年とすると、デイジーと近い年齢になれるのは45歳くらいのときのほんの一瞬なわけです。ベンジャミンはそれくらいの年齢のときに、鏡に向かってデイジーと肩を組み、「この姿を覚えていよう」と言うのですが、素晴らしいシーンですね。ベンジャミンのような境遇でないにもかかわらず、自分は多くの出会いをただの交差点にしてしまっているなぁと反省です。

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