2008年4月30日水曜日

東山魁夷は大人気

今日は竹橋にある、近代美術館に行ってきました。東山魁夷展です。100を超える作品があり、かなりのボリュームです。一つ一つの作品が重厚なので、後半になると息切れしてしまうほどです。

私は、東山氏は頭の中で描いた構図を幻想的に描いているのだと思っていました。ですが、彼はいろいろな場所を旅し、ピンときた風景を見つけたら、そこに腰を落ち着けてデッサンを描く、要するに風景画家だそうです。はじめて知りました。

とはいえ、彼の作品は風景のデッサンから、構図の見直し、単純化、それから作品づくりに取りかかるというプロセスを踏んでいるようです。今回の展示ではそのプロセスの一端をかいま見えますが、まず風景を写実し、一部を省略したり構図を変更したりして、下書きをつくり、それからあの淡いタッチで色を付けて仕上げていきます。その最終作品はただの風景画だとは感じられません。作者の意志を主張しているように感じます。

今回の展示では東山氏本人による音声ガイドを利用することができます。私はそういうサービスはいつも利用しないので、今回も利用しませんでしたが、今日は作品の解説が欲しいなと感じました。音声ガイド(有料、500円)を利用して損はないと思います。

膨大な作品群を見ていると、やっぱりいいなぁと思ってしまいます。多くの人に人気がある理由がわかります。まず彼の作品は、やっぱり色彩がよいです。特に緑、赤、白の色合いに惹きつけられます。そして、シンプルな構図に圧倒されます。加えて、光の加減や塗料の質感など、シンプルで抽象的な絵の中に、リアリティもしっかり織り込まれていて、やっぱりデザイン画や抽象画ではない、風景画、日本画なんだという納得感があります。

近代美術館や皇居周辺は、ゴールデンウィークということもあり、非常に盛況でした。私はカレンダー通り、明日からも仕事ですが・・・。5/4からの4連休は休めそうですが、近場でのんびりすることになりそうです。

2008年4月28日月曜日

京都探索

この土日は出張で京都に行っていました。時間に余裕があったので、ホテル(ウェスティン都ホテル)の近くの南禅寺を訪れてみました。

わびさびの趣ある、おちついた雰囲気のお寺で癒されます。お堂の通路はウグイス張りになっていて、歩くときしむような音がします。昔歴史の授業で習ったな・・・なんて思い出しました。清涼な気分になりました。

そこから祇園まで地下鉄で移動しました。和装の女性が歩いていたりしておもしろかったです。京都らしいお土産屋さんが並ぶ一方で、風俗店も多く、祇園というのはそういう街なのだろうなと思いました。

古都京都らしい雰囲気を味わった後、四条大橋を渡ると今度は市街地で、鴨川を挟んだ新旧のコントラストがおもしろかったです。タクシーの運転手が、このあたりが京都の真ん中だと言っていました。夏は鴨川に足場を張り出して、オープンエアで飲むそうです。いいなぁ・・・。

八坂神社とか、銀閣寺とか行ってみたかったけど、今回は出張で一泊しただけなのでそんなに時間がありませんでした。またゆっくり来たいですね。

2008年4月21日月曜日

鉄道博物館と電子マネー

所用でうちの近くに来た友人に呼び出され、食事をしました。月島でもんじゃを食べた後、どこに行こうかと考えたところ、友人の思いつきで、埼玉の大宮にある「鉄道博物館」に行くことになりました。はじめて聞く名前でしたが、そういう施設があるのです。

行ってみると結構巨大な博物館で、昔の車両や、電車が動くメカニズムを学ぶための子供向けコーナー、屋外には縮小版の線路とミニ車両があって、小さな子供が乗れたりするなど、思ったより充実していました。まあ、親子連れや小学生の社会科見学向け博物館です。

おもしろかったのは、入館が改札になっていて、SUICA/ICOCA/PASMOが使えるということ。ただ、SUICAを改札にあてただけでは入館できません。まず、券売機コーナーが別にあって、券売機の読み取り部分にSUICAをあてます。館の入り口に行って、そのSUICAを改札にあてると入館できます。

何でわざわざこんな手順をとらせるのでしょう?電車に乗るときのように、SUICAを改札にあてたときに入館料を引き落とせばいいのに。不思議だなぁと思いながら、券売機にSUICA(私はPASMOですが)をあてると、残金が足りないという表示がでました。1,000円を入れると、OKの表示が出て、PASMOを券売機の読み取り機に再度近づけようとすると、館員の方から「お客さまのSUICAはもう大丈夫です」と言われました。つまり、

①SUICAを読み取り機にあてる
②お金を券売機にいれる
③再度読み取り機にSUICAを近づけてSUICAにお金を入れる

という手順を私はイメージしていたのですが、③の手順がなかったということです。

このハプニングから、「SUICAのカード自体に登録されているのはどういう情報なのか」と考えてしまいました。少なくともこの博物館の入館時の改札では、SUICAカードから残金情報を読み取ってはいません。なぜなら、上記の手順③を行っていないと言うことは、1,000円が入金されたことをカード自体は知らないはずだからです。

たぶん、こういうメカニズムになっているのではないでしょうか。

①SUICAを券売機に読み取らせる
②券売機はSUICAからユーザIDを読み取る
③券売機はSUICAの残金を確認する
③券売機は入館料を引き落とす
④券売機はそのユーザIDの入館許可をネットワーク上の入館管理システムに出す
⑤入館管理システムはそのIDの入館を承認する
⑥改札にSUICAをあてると改札がSUICAのIDを読み取る
⑦読み取ったSUICAのIDをネットワーク経由で入館管理システムに確認する
⑧入館管理システムはそのIDが入館承認されている旨を改札に伝える
⑨改札が開く

こういう手順なら、改札通過時にSUICAカードの残金情報は必要とされません。改札通過の可否は、ユーザIDが入館管理システムで承認されているかどうかだけで決まります。

最初の疑問に答えると、この博物館への入館は、券売機にSUICAをあてた時点で決済されているのです。入館管理システムで、そのSUICAのユーザIDが承認状態にされるだけなのです。そうしている理由はおそらく、通常SUICAが駅で使用される手続きと、博物館への入館手続きを、システム上関係ない形にしたいのだと思います。だから、券売機にSUICAを読み込ませた後、入館をしなかったり、入館した後出口からでなくても、駅に行って問題なく電車に乗ることができるのだろうと思います。

もう一つ気になったのは、上記の「③券売機はSUICAの残金を確認する」という点です。SUICAの残金をどこで確認するのか。2つの可能性が考えられます。1つは「SUICAカードの中に金額情報が入っていて、それを読み取り機が読み取っている」。もう1つは「SUICAカードの中にはユーザIDしか入っていなくて、ネットワークの向こうにある管理システムで、そのユーザIDの残金が参照されている」。どちらの可能性もあり得ますが、私は後者だと思っています。その方が情報を安全に、効率的に管理できるからです。Googleやシンクライアントと同じ発想です。

ここまで考えると、Edyなどの電子マネーも同じなんだろうなと思います。使用者が持つカードには金額情報は入ってないんです。きっと。入っていても、本質的には不要な情報だということです。

とはいえこれは驚くべきことです。Edyは読み取りから決済まで、2秒くらいはかかりますが、電車や地下鉄の改札での決済は一瞬です。結構複雑な処理だと思いますが、これだけリアルタイム処理できるというのは、コンピュータの高機能化とネットワークの高速化によるものだと思いますが、それでも驚きです。

研修メンバーと昼からビール

忙しくてなかなかブログを更新できませんでしたので、まとめて更新します。まず土曜の話。

昨日はグロービスの授業に行ってきました。前回とは違う初対面のメンバーとでしたが、すごく盛り上がりました。私もたくさん発言できました。前日は仕事とオフィス内引っ越しとグロービスの宿題でほぼ徹夜だったので、頭が働かないと覚悟していたのですが、議論が盛り上がるうちに活性化してきました。

授業の後、講師と出席メンバーとインド料理の店で昼から飲みました。いろんな会社の方と話ができておもしろかったです。みなさんフレンドリーで、仲良くなったので次回からの授業がもっと楽しみになりました。勉強会とかもやるらしいので、余力があれば参加してみようと思います。今週はちょっと仕事が大変で、疲労困ぱいだったので、授業は欠席して土曜休もうかとも思いましたが、行ってよかったです。

2008年4月15日火曜日

我が家のプランツ

部屋に置いてある植物(ミリオンバンブーとハートプランツ)の葉が黄色くなってしまいました。もしかして枯れてしまうのでしょうか。かなりショックです。

原因を調べたところ、どうやら「寒さ」だったようです。水や栄養はそれほど必要としない植物だそう。部屋の中で育てているのですが、それでもうちの部屋は寒いし、ほとんど不在にしていて暖まる機会も少ないから・・・本当にかわいそうです。花瓶ではなく、植木鉢に植え替えるとかして、暖かくしてやらないと本当に枯れてしまいます。

とりあえず、花瓶をタオルでぐるぐる巻きにして、絨毯が敷かれたところに起き、段ボールで囲いました。多少は保温になるでしょうか。やっぱり植え替えしかないかな・・・

2008年4月14日月曜日

ソファとデスクが到着

ソファとデスクが届きました。モスグリーンのキャンバス地のソファと、奥行きの狭い木目地のパソコンデスクです。どちらもいい感じですが、もう少し大きなサイズを選べばよかったかなとも思いました。広い部屋じゃないし、まあいいか。

ようやく部屋が部屋らしくなってきました。あとはローテーブルがそろえば部屋の完成です。ただ、最近買い物やら、旅行やらでずいぶんお金を使ってしまったので、しばらくは買えません。

届いたデスクで、早速来週のグロービスの予習をはじめました。ですが、どこから手をつけていいのかわからない・・・教材にヒントがなさ過ぎるんですよね。ケースがぽんと紹介されていて、「あなたがこのケースの意志決定者なら、どういう判断をとりますか?」を予習で考えてくることになっています。難しい。とはいえ難しくないと、学習にならないのだからしょうがないですね。試行錯誤の末、多少糸口がつかめてきましたが、明日に向けて寝なければ。

デスクが来たことで、久々に部屋で勉強らしきことをしたのはよい刺激になりました。大学生になって以降は、自宅で勉強なんて全くしなくなりましたが、私はもともと、デスクに向かってノートを開いて勉強するのが好きなタイプです。これからは勉強することを習慣にしようと思います。

2008年4月13日日曜日

グロービスで授業

今日はグロービス・マネジメントスクールの授業一日目に行ってきました。おもしろくて大変勉強になりました。

授業では、教室に受講者が20人程度がグループ形式で着席し、1回3時間の授業を行います。授業は、オリエンテーション、ケースの説明、グループディスカッション、ケースの解説、という流れです。

何と言ってもケースの内容と講師のレベルは素晴らしく、3時間はあっという間でした。ケースはシンプルだけど目からうろこの発見がいくつもあり、勉強になります。また、講師はおもしろくて情熱的でわかりやすく、好感が持てました。

あえて難点を言えば、グループディスカッションがいまいちでした。受講者の専門知識にばらつきがあって、実務者もいれば学生みたいな人もいる。また、予習をしっかりやっている人とやっていない人がいて、議論にならなかったり。そういう受講者のレベル感のばらつきに対して、いきなり「じゃあグループになってちょっとディスカッションしてみて」とするのは、ちょっと乱暴かなと感じました。とはいえ、グループディスカッションの設計はなかなか難しいのは理解できるんですけどね。

ケースの熟成度と講師の能力レベルを考えると、グループディスカッションはなしで、3時間講義のほうが正直言ってありがたい。だけど、講師もさすがに3時間通しで講義やるのは疲れますし、グループディスカッションの時間は講師のリフレッシュや、講師が場を読んで講義の方向性を見直すことにあてる、必要な時間なのかもしれません。ただ、その点を割り引いても十分満足できる内容だと思います。

さて、授業の内容についてですが、私もそれなりに予習をし、ケースに対して仮説を立てて挑んだのですが、全く的はずれ、大ハズレでした。本当にがっかりしました。だけど、間違えた方が学習も大きいんですよね。次回はもっと自信を持てる仮説をつくりたいと思います。

2008年4月12日土曜日

人事部を廃止した積水化学

積水化学の人材マネジメントを紹介する記事をネットで読みました。かなり刺激的ですが、人事部を廃止して、CSR部の中に人材グループとして移したそうです。

要するに、「社員の能力や適正で評価をしたり配置をしたりする機能は会社にはいらない。それは社員の可能性を狭める。重要なのは能力や適正ではなく、本人の意志だ」という思想でマネジメントが行われています。

具体的には、
・本人が手を挙げなければ昇進や異動はできない。
・人事部ではなく直属の上司や先輩がコーチとなる。
・取締役は着任したら2年間塾を開く(変革塾)。そして、自分のやりたいことをイントラネットで述べ、仲間を募って議論する。
・ビジネスリーダー向けの経営学の研修(際塾)を実施している。
・新規事業を作り出す人材として、必ずしも「評価が優秀な」社員ではなく、「とんがった」社員を集め、専任で検討させる(志塾)。

こういうことを規模の大きな、歴史ある会社でやるというのはすごいですね。チャレンジングな取り組みだと思います。が、リスクも大きいでしょう。

こういう人材マネジメントにはついていけない社員も少なからずいます。社員がついてくれば活気あふれる会社になるでしょうし、社員が新制度にアレルギー反応を示せば、組織の崩壊を招きます。しばらくウォッチし続けたい会社ですね。

2008年4月11日金曜日

ちゃんと食事をする日々

今日は他部署の方と3人でランチをしました。違う組織で違う仕事をしている先輩と話すのはとても楽しかったです。私の知らない業界の話や、違う組織での仕事の進め方などをうかがって刺激を受けました。

また、夜は異動後の新しい組織での歓送迎会でした。新しい組織は大人が多くこじんまりとした組織なので、こういう会が居酒屋ではなく、ちゃんとしたお店なのはいいことですね。シャンパンや白ワインを飲んだのは久しぶりでした。

ちょっと前までは、食事はほとんどコンビニで買ってきてパソコン画面を見ながら食べる日々が続いていましたが、最近は外に食べに行くようになりました。仕事が楽になったわけでは全くないんですけど・・・就職してしばらく経ちますが、会社の周りのレストランとか未だに全然知りません。もう少し開拓しないと。

2008年4月10日木曜日

株主に報いる企業

株価の乱高下はが続き、まだまだ不安定な環境ですね。こんな記事がありました。

日経ビジネス 2008年3月17日号
”株主に報いる会社”

ROE上昇率の高い企業の秘密を探る特集です。その根拠について、3つの方法にが説明されていました。

①利益率の向上
生産ライン構築大手のダイフクでは、原価管理の徹底によって利益率を高めました。受注産業の利益率は原価管理が肝です。

②総資産回転率の向上
(売上高)/(総資産)で定義される総資産回転率は、小さな資産でいかに大きく稼げているかを示す指標です。 ホンダ向け自動車部品メーカのエフテックでは、12年だった設備の償却年数を縮め、完成車のモデルチェンジと同じ5年としました。負担増で一時は赤字寸前まで落ち込んだそうですが、実態にあった減価償却がエフテックの総資産回転率を高めたそうです。

③財務レバレッジの拡大
(総資本)/(株主資本)で定義される財務レバレッジは、簡単に言えば「どれだけ借金できているか」です。一見無借金経営の方が望ましいようにも思えますが、この低金利の時代では、過剰資本がROEの低下を招くよりも、負債を有効活用するという判断もとりうるということです。

ROEに着目し、その根拠を財務指標で検証してきましたが、利益をいかに膨らませるかと言う意味では、根本的なことですが「商品価格の設定」という問題があります。価格決定方法についても勉強しなきゃと思いました。

2008年4月8日火曜日

NTTデータの貢献主義

ちらっと読んだ新聞記事に、NTTデータでの企業風土変革の取り組みについて書かれていました。「担当領域を超えて協力してくれた方に、感謝の意をこめて”Thank youポイント”を送りあい、累積ポイントの高い社員を会社が表彰する」という「Thank you表彰制度」です。

2006年に開設された社内SNS「Nexti」での質問への回答に、ポイントのインセンティブをつけようとしたことから始まったようです。「教えて!goo」とかの「良回答10pt」と同じ発想ですね。

これを制度化した背景には、NTTデータ山下社長の標榜する「貢献主義」の考え方があります。NTTグループ特有の、官僚的、縦割り的な風土から抜け出したい、自分だけでなく他の社員に、また会社全体に貢献する企業文化を根付かせたいという真摯な思いは素晴らしいと思います。山下社長はあの手この手で企業文化を変えようと努力されているようです。

2008年4月7日月曜日

キャリアの節目

最近キャリアについてよく考えます。以前読んだキャリアの本を再度読み返したところ、発見が多くて驚きました。 

金井壽宏
”働く人のためのキャリア・デザイン”

「キャリアの節目」で立ち止まり、しっかりデザインすることが重要だという内容です。キャリアの節目では「トランジション」というという心理的危機が発生しており、臨床心理学者のウィリアム・ブリッジズ氏はこれを以下のようにモデル化しました。

①「終焉」 何かが終わる時期
②「中立圏」 混乱や苦悩の日々
③「開始」 新しい始まりの時期

サーカスの空中ブランコで、前のブランコを手放し、新しいブランコに手が届いていない状態を、「中立圏」と定義しているところが慧眼ですね。

トランジションのプロセスは、ネガティブな変化(例えば失恋して、自己を振り返り、立ち直って強くなる、など)に伴って発生するだけでなく、自分自身が変化を望んでいるときでさえ生じる(例えば、結婚や子供の誕生、昇進、待望の海外転勤など)とのことです。このときに大事なことは、トランジションが「終焉」から始まることを認識することです。終焉をくぐらなかった場合に限って、過ぎてしまった過去を振り返ってしまうのだそうです。

ロンドン・ビジネス・スクールのナイジェル・ニコルソン氏は、

①新しい世界に入る準備をする
②実際にその世界に入り、新たなことに遭遇する
③新しい世界に順応していく
④慣れて、安定化する

というサイクルでモデル化しています。私はブリッジズのモデルの方が好きかな。

このようなキャリア・トランジション論に基づいて、キャリアの節目だけは見逃さず、ちゃんとデザインしよう。そして、それ以外のときはキャリアのことばかり考えて頭を抱えていないで、ドリフト、つまり流れに身を任せようというのがこの本の主旨です。そして、キャリアをデザインできたら、夢を描けたら、信じて行動することが大事。信じて行動すると成果が出て、自分の方針をもっと信じることができる。行動力や無力感は学習され、循環されるということです。

著者は最後に、自信の自身のトランジション・モデルを提唱しています。

①キャリアに方向感覚を持つ
②節目だけはキャリア・デザインする
③アクションをとる
④ドリフトも偶然も楽しみながら取り込む

「じゃあどうすれば自分が今節目にあるということを自覚できるのか?」という問に対しては、「節目かなと思ったら、まずその可能性があると思って立ち止まってみるのがよい」とのこと。

節目を捉え、よいキャリアを描いていくのが目的ですが、その「よいキャリア」について、著者は多数の定義を紹介しています。私が一番気に入った定義は、「物語の多いキャリア」です。著者はこう言っています。

「千夜一夜物語ではないが、自分が意味のある話をすれば、さらに一日命乞いができるとしたとき、あなたは、作り話ではなく自分のキャリアを語ることによって、何日生き延びることができるか。」

そういうキャリアを歩むため、キャリアの節目をしっかりと認識して、次の一歩デザインし、それができたら自分の判断を信じて行動を起こしたいと思います。

今週は土日フルタイム出勤でした。今はゆっくりと将来について考えるべき、節目の時期だと自覚しているのですが、そういうときに限って忙しかったりするのです。

2008年4月4日金曜日

情報収集のノウハウ本は短寿命

情報のインプットのスピードアップを図るべく読んでみました。

立花隆
”知のソフトウェア”

情報の収集、整理、出力のやり方を紹介しています。ただ、1984年の本なので、手法がかなり古い。インターネット、コンピュータをほとんど想定していない時代の手法なので今あらためて読む必要はない本かも。とはいえ、勉強になったことをメモしておきます。

読書法
・目的先行で読む。
・読むという意識を完全に捨てて印刷紙面を見れば、つい目が拾って読んでしまう活字があるので、それに逆らわずその周辺を精読する。
・専門外の専門書を読む場合は、入門書を続けて何冊か読む。
・初読時はノートはとらず、ページを折ったりラインを書き込んだりすればよい。

インタビュー法
・聞くべきことをわかっておく。
・知りたいという欲求を激しく持ち、問うべきことがわき上がるのを待つ。
・話の進行過程で思いついた新しい質問はノートの隅にメモしておく。
・想像力を働かせ、5W1Hを掘り下げてディテールを聞き出す。
・頭の中で映像を描く。

アウトプット法
・アウトプット方法は技術論に期待すべきではない。
・頭の中で勝手に発酵し、人に伝えるべき何事かが生まれるのを待つしかない。
・よいアウトプットができるようになるにはよいアウトプットを大量にインプットするしかない。
・アウトラインをつくった上でアウトプットをつくるのもよいが、対象に本当にのめりこんでいれば、「ユーレカ(アルキメデスが風呂場で浮力の原理を閃いたときの言葉)」の瞬間がくるので、フリーハンドでアウトプットを描ける。
・フリーハンドで処理できるほどインプットがシンプルでない場合には、「年表」か「チャート」に整理するとよい。

こんなところかな・・・この本を読んでいると、我々はつくづくITの力に助けられていると感じます。

2008年4月3日木曜日

ビジネススクールを味見

グロービス・マネジメントスクールというところで、全6回の短期講座を受講することにしました。そして、今日はグロービスのオリエンテーションに行ってきました。

普通の研修みたいなものを予想していたのですが、お話を伺っていると相当大変そうです。ケースを使ってばりばりディスカッションとかやるらしく、ハーバード・ビジネススクールを目指しているのかなと思いました。日本で仕事をしながらMBA的な体験ができて、ありがたいのですが、いきなりケースワークをどんどんやっていくというスタイルについて行けるかなと若干不安です。かなり予習しないといけないみたいです。そもそも苦手なテーマだからお金を払ってスクールに行こうとしているわけですから、どう予習すればよいのかも、ピンときません。でもまあがんばるしかないかな。

講師のレベルや受講者の意欲は高そうで、また受講者同士の勉強会やメーリングリストを積極的に勧めていて、人的ネットワーク作りに熱心だなと思いました。これはグロービスの世界にはまってしまう人もたくさんいるだろうなぁと思わせる仕掛けを施しています。研修機関、みたいなところではなくて、ちゃんとビジネススクールっぽくて、予想していたよりすばらしいところだなと思います。1回目の講座が楽しみになってきました。その前に、予習をやらないと。

あと、全然関係ないですが、最近うちの近くに小さな中華料理屋さんがオープンしました。テーブル3つくらいの小さな小さな店で、東北訛り?のとても人の良い老夫婦が切り盛りしています。定年退職して「退職金で、夢だった料理屋を」という感じではじめたのかな、とか思いながら野菜炒めをかじっていました。老夫婦の醸し出す雰囲気なのか、なんかいい感じでした。しばらく通って経営が安定するのを見守りたいと思います。

2008年4月2日水曜日

新しい門出にサイン本

4月1日、異動が発令され、新組織での仕事が早速はじまりました。まあ、異動前の仕事もまだ多少引っ張っていますが。何とかこなしています。早く最低限の仕事を覚えて、自分のやりたいことに着手したいですね。

異動前からのあるプロジェクトについては、4月中に後任者に引き継ぎ、私はメンバーからぬけることになりました。今夜はそのプロジェクトのオーナーとリーダーが、送別会を行ってくれました。門前仲町のこじんまりとした飲み屋でしたが、新鮮な素材をシンプルに調理していて大変おいしく、刺身や焼きタケノコに舌つづみを打ちました。話もとても盛り上がりました。

プロジェクトメンバーのひとりが最近本を出版したそうで、おみやげに一冊プレゼントしてくれました。目の前で著者自らサインしてくれました。サイン本なんてもらったのははじめてです。私のことを見ながら、「前途洋々」の言葉をサインに加えてくれました。私の新年度が、「前途洋々」であることを期待したいと思います。

2008年4月1日火曜日

新年度を迎えるにあたり

今日は年度末。明日から違う会社で働く同期を囲んで飲みました。久々に同期で飲みましたが、みんな仕事について、しっかり「語れる」ようになっていて、「みんないい仕事をしているな、仕事を通じて成長をしているな」と思いました。仕事についての価値観は様々ですが、価値観が様々であることが明確にわかるほど、それぞれが自分の仕事に、自分の成長に、そして今の自分の能力に自信を持っているのを感じました。

同期の送別の場ということを忘れて、例えば「会社は株主のものか、ステークホルダーのものか」「ファンドと事業会社の企業買収のメリット・デメリット」「我々の仕事のどこに価値があるのか」など真面目なテーマに議論を戦わせる場面もありました。

みんなそれぞれによって立つ経験があって、そこから主張する意見があって、しっかり考えているなぁと感心するとともに、同じ仕事をしている同期のみんなに比べて、私はまだまだ勉強が足りないなと深く反省しました。いや、必要なのは勉強ではないかもしれません。知識ではみんなが私より詳しいことも、私がみんなより詳しいこともありますが、仕事に対する哲学のようなものが、自分の中でまだ強固に確立されていないのかもと思います。キャリアビジョンの具体性が低いのかもしれません。

みんなからよい影響を受けつつ、それでも私は私で自分のビジョンを明確にして、今の仕事をそのビジョンの中に位置づけ、積極的に行動を起こそうと気持ちを新たにしました。新しい年度をむかえて、自己を内省するよいきっかけとなりました。