2008年4月30日水曜日

東山魁夷は大人気

今日は竹橋にある、近代美術館に行ってきました。東山魁夷展です。100を超える作品があり、かなりのボリュームです。一つ一つの作品が重厚なので、後半になると息切れしてしまうほどです。

私は、東山氏は頭の中で描いた構図を幻想的に描いているのだと思っていました。ですが、彼はいろいろな場所を旅し、ピンときた風景を見つけたら、そこに腰を落ち着けてデッサンを描く、要するに風景画家だそうです。はじめて知りました。

とはいえ、彼の作品は風景のデッサンから、構図の見直し、単純化、それから作品づくりに取りかかるというプロセスを踏んでいるようです。今回の展示ではそのプロセスの一端をかいま見えますが、まず風景を写実し、一部を省略したり構図を変更したりして、下書きをつくり、それからあの淡いタッチで色を付けて仕上げていきます。その最終作品はただの風景画だとは感じられません。作者の意志を主張しているように感じます。

今回の展示では東山氏本人による音声ガイドを利用することができます。私はそういうサービスはいつも利用しないので、今回も利用しませんでしたが、今日は作品の解説が欲しいなと感じました。音声ガイド(有料、500円)を利用して損はないと思います。

膨大な作品群を見ていると、やっぱりいいなぁと思ってしまいます。多くの人に人気がある理由がわかります。まず彼の作品は、やっぱり色彩がよいです。特に緑、赤、白の色合いに惹きつけられます。そして、シンプルな構図に圧倒されます。加えて、光の加減や塗料の質感など、シンプルで抽象的な絵の中に、リアリティもしっかり織り込まれていて、やっぱりデザイン画や抽象画ではない、風景画、日本画なんだという納得感があります。

近代美術館や皇居周辺は、ゴールデンウィークということもあり、非常に盛況でした。私はカレンダー通り、明日からも仕事ですが・・・。5/4からの4連休は休めそうですが、近場でのんびりすることになりそうです。

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