2008年7月28日月曜日

今年初花火

昨日は浦安の大会を見てきました。去年も私は隅田川花火大会ではなく、こちらの浦安のを見に行っていたのですが、今年はひょんなことから新浦安に住む方のホームパーティにお呼ばれし、そのマンションのベランダという特等席から、花火大会を楽しみました。見上げずに、真横から花火を鑑賞するというのははじめての体験で、なかなか楽しかったです。

新浦安は景観にかなり気を配っている街のようで、道ばたにはソテツなどの熱帯植物が植わっていたり、どのマンションもリゾートホテルのような形をしていたりしてます。マンション内が極めてバリアフリーな造りであったことを鑑みても、おそらくリタイア後の高齢富裕層向けの住宅街なのだろうと思います。ヨーカドーやケーズデンキなど一通りそろっていて住むのにも良さそうです。

花火大会はこれからが本番。関東圏では毎週末くらいやっているようなので、浦安を皮切りに、いくつか見に行ってみようと思っています。

2008年7月21日月曜日

勉強法の勉強はもうやめます

帯の「もっと若いときに読んでいれば・・・そう思わずにはいられませんでした」の文言に惹かれ、本を買ってみました。

外山滋比古
”思考の整理学”

最近本当に多く出回っている、勉強、情報の取り扱いの方法論の本です。1986年の本なのですが、勉強法ブームに乗って本屋でも平積みされています。売れているみたいですね。

内容としては、学校教育で育て上げられた、受動的にしか知識を得ることができない「グライダー人間」から脱却し、自分で主体的に知識を得ていく「飛行機人間」になるための心がけやノウハウを紹介しています。

いくつかいいなと思った考え方を記録しておきます。

①昔の武術の世界では、秘術は教えなかった。師匠の教えようとしないものを奪い取ろうとする弟子だけが、いつしか飛行機人間となっていき、免許皆伝を受けた。

②朝の脳は活発で楽天的。簡単な仕事を「朝飯前」と言うが、朝飯前の時間が最も成果のあがる時間で、「難しいことも朝飯前なら処理できる」という意味だったのでは、と著者は想像する。生活を朝型にしなさい。(著者はさらに、朝飯前の時間を作るために朝飯を抜け、そうすれば午前中いっぱい仕事の効率があがる、とすら言っている)

③(著者は大学の先生なので)学生から論文のテーマについて相談があったときには、1つではなく2,3のテーマを持って研究を始めるように指導する。そうすると、独善に陥らず、独創的なものができる。

④講義や講演を聞いても、めったにメモをとらないこと。メモをとると、人は安心して忘れてしまう。つまらないことこそメモをとり、早く忘れてしまいなさい。

⑤思考の整理に最も有効なことは「忘却」である。自然忘却の何倍ものテンポで忘れることができれば、歴史が何十年もかけて行う古典化という整理を、数年でできるようになる。古典的になった興味、着想なら、簡単に消えるはずがない。

⑥誰が発案したによらず、アイデアには必ず良いところがある。とにかく誉めること。ピグマリオン効果として実証されているように、根拠がなくてもほめることが、成果につながることもある。

⑦創作へのエネルギーはとにかく代償行動で肩代わりされやすい。詩人になりたい人が出版社に勤めるなら、編集よりも発送係の方がいい。編集業務によって満たされてしまっては、詩人になれないからである。同じように、口八丁の人は考えをしゃべることで満足して、実際の行動がおろそかになりがちだ。本当に成し遂げたいことはみだりにしゃべってはいけない。

それなりに参考にはなる本なのですが、絶賛されている理由はよくわかりませんでした。勉強法の本は山ほど出版されているけど、本当に参考になる本は見たことがないな。というより、勉強法を勉強しているうちは何も成し遂げることはできないんだろうな、と反省してしまいました。

会計の入門書

グロービスで会計のイロハを学んだところで、以前買ったまま本棚に眠っていた会計の本を再度取り出してみました。

國貞克則
”財務3表一体理解法”

具体的な会計処理をした際の、PL、BSへの計上の仕方と、CS(直接法・間接法)の動きを追った説明で、非常にわかりやすかったです。会計を理解するという意味ではとても良い本。さおだけ屋の本よりずっとわかりやすいし役に立つと私は感じました。

淡々と説明が続くので、演習+回答形式にしたほうがもっと身になったかなとも思います。例えば、「資本金300万円で会社を設立すると、財務3表はどうなる?」などとしてブランクのシートに読者に書き込ませた上で、その説明に入る、とか。

会計をざっくり理解するための読み物的な本なので、リファレンス的には使えませんが、会計の入門書としては良書だと思いました。

MBAよりもMFAか

ハーバードビジネスレビュー 2007年4月号
ダニエル・ピンク ”左脳思考と右脳思考を融合させる”

1993年時、マッキンゼー・アンド・カンパニーの新入社員のうち61%がMBAホルダーだったそうです。しかし、それから10年も経たないうちにその割合は43%に低下したとのこと。

入社後の仕事ぶりを見ても、他の学部出身者とMBAで有意な差はない。「左脳型ビジネス・エンジニア」であるMBAよりも、「MFA(master of fine arts:美学修士)」に注目が集まっているらしいです。

ただし、重要なのはMBA思考とMFA思考のコンビネーションで、どちらかひとつだけでは足りないとのこと。

「MBAが会社を滅ぼす」ではないけど、MBA的思考プロセスの人は組織の中に一定割合でよい(逆に言えば一定割合は必要)、というのは賛成です。私もMBAとろうかと思っていたけど、MFAにしようかな・・・というか自分が本当にビジネススクールに留学したいのかということ自体を考え直す、よいきっかけになりました。

これからの時代に必要な「6つの感性」が紹介されていたので、記録しておきます。

①デザイン
モノのあふれた時代においては、実用性だけでなく斬新さや美しさ、フィーリングなどの有意性が必要。実用性と有意性を両方発揮できる能力。ロンドン・ビジネススクールの調査によると、製品デザインの投資が1%増えると、売上、利益は平均3~4%増加するとのこと。

②物語
事実を感情的な要素を含んだ「文脈」に取り入れ、ひとに伝える能力。NASAや世界銀行ではナレッジマネジメントにストーリーテリングを利用していたり、ゼロックスでは語られる物語を「ユーレカ」と呼ばれるデータベースに蓄積しているとのこと。

③全体の調和
全体像を描き、一見無関係なもの同士を結びつける能力。広範な専門性と総合的知力、そして様々な経験が必要。巧みな比喩がつくれることもその能力の発露の一側面である。「システム・シンキング」などの言葉で表現されることもある。

④共感
相手の気持ちを直感的に察したり、相手の立場や状況を自分に置き換えて考えられる能力。IQテストで測られる能力がコンピュータや低賃金労働者に取って代わられる時代の中でも、人間関係の機微を深く理解することが要求される仕事は残る。スタンフォードMBAでも、この類の授業が人気となっている。

⑤遊び心
笑い、快活さ、娯楽、ユーモアなどを発揮する能力。楽しみ、喜びが人間をより生産的にし、個人の能力を最大限に発揮させるということ。Googleや3Mの導入する自由裁量時間も、この遊び心の発揮を狙ったもの。

⑥生きがい
生きがいを追求する能力。働く意義を咀嚼することは、幸福感を感じることにつながり、幸福感は生産性や創造性にも寄与する。自分の最も得意とすることを知り、それを自分以上の何かに生かすことがじゅうようだと、ペンシルバニア大学のマーティン・E・P・セリグマン教授は述べている。

世界企業に学ぶ

ハーバードビジネスレビュー 2007年11月号
いろいろな企業の経営スタイルの特集をしていました。気になった企業をいくつか。

①モトローラ:技術者のマネジメント方法
技術部門と営業部門の人材交流、ローテーションは正しいと思わない。経営陣にも技術者にも顧客訪問を促す。顧客訪問状況を緻密に調査したところ、経営陣と技術者の顧客訪問回数が全く不足していた。会社を挙げて、顧客と一体になるべく努力している。
技術者の問題は「when」を考えないところ。例えば「テレビ電話」とか、ある商品を、「売れるはずだ」と思っても顧客に受け入れられないことは多い。ただ、5年10年するとそれが飛ぶように売れる。技術者のマネジャーは、自分のはやる心を絶えず静め、自らを律する必要がある。

②グルッポ・セムコ:自由すぎる人材マネジメント
経営陣を示す「カウンセラー」、事業部長で構成される「パートナー」、その他の社員全員を「アソシエート」、プロジェクトチーム、タスクフォースチームの時限的なリーダーを「コーディネーター」とし、社員の肩書きを4つにした。一般社員のアソシエートがパートナーより高給取りの場合もあり、マネジメントは自由奔放である。他のアソシエート全員による面談と承認がない限り、採用や昇進を実施しないなど、「階層組織」「官僚主義」と徹底的に戦うための信じられないような制度が整備されている。

③LVMH:ブランド確立の条件
スター・ブランドの条件は、「タイムレス」「モダン」「急成長」「高収益」という四つの相矛盾する特性を同時に実現させること。その中でも「高収益」はアトリエ、すなわち工場で上げる。工場のどのプロセスのどの動作、ステップも、最新のエンジニアリング技術で整備されており、徹底的な低コスト高品質の調達を行う。最先端の自動車工場とほとんど変わらない。ハンドメイドプロセスが多くても、効率は高い。

④ザラ:高速サプライチェーンマネジメント
デザイナーが製品のデザインをしてから、流通までをわずか15日で行う。「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」という徹底的な商品管理、超高速サプライチェーンを構築している。

オリックスに学ぶ

日経ビジネス6/23日号 オリックス特集

アメリカのフィナンシャルスキームなどを積極的に導入して拡大してきたオリックスが、曲がり角に来ているという記事。個人的におもしろかったコメントだけピックアップしておきます。

①危機意識
会議ですぐ居眠りする宮内会長を眠らせないための社内セミナーで、「人材育成にもっと投資すべき」「社員交流のために本社にカフェを設ける」など施策を社員がプレゼンした。宮内さんは眠るどころか、怒りで噴火。

②人材獲得手法
世界銀行グループで新興国融資をする国際金融公社と長く付き合ってきた。調査や事務手続きなどを全て引き受け、苦楽をともにし信頼を得た。その結果として、ピカピカのグローバル人材を紹介してくれる。

2008年7月13日日曜日

東京脱出

友人が車を買い換えました。ずっと乗ってきた車の下取り日が明日と言うことで、名残を惜しむべく最後のドライブをすることにしました。

「とにかく東京は暑すぎる。なんでもいいから涼しいとこに行きたい」という安直な理由で、軽井沢まで行くことにしました。軽井沢って行ったことなかったし。

軽井沢に着いたのは16:30くらいだったのですが、軽井沢の観光施設(庭園や美術館など)は、どこも閉館が17時のようで、時すでに遅し。それくらい調べていけば良かったのだけど・・・。

とりあえず巨大なショッピングモールがあったので、うろうろして、それから「旧軽井沢」というところに移り、ソフトクリーム食べながらまたそのあたりをうろうろして、帰りました。まったく何しに行ったんだろう・・・。

帰りに横川のサービスエリアで、「峠の釜めし」を食べました。定番ですね。はじめて食べましたが、わりと普通。「峠の釜めし」のすばらしさは、「駅弁で食べてもおいしい」というポータビリティにあるわけで、ちゃんとお店で座って食べたのでは価値が半減してしまうのかも。まあ、観光気分を少し味わえたのでよかったです。

軽井沢はとても涼しくて過ごしやすいのですが、別荘とかでのんびりしたりする方がいいのでしょうね。また、ゴルフやる人とか、ショッピング好きな人とかなら楽しめると思いますが。私は海が好きなので、リゾートは高原よりも海岸がいいかな。

2008年7月2日水曜日

エレベータテストの本質

あまり興味が湧かなかったのですが、先輩から渡されたので読みました。 

細谷功
”地頭力を鍛える”

最近「地頭」って言葉がはやっているみたいですが、言語・計数・図形の能力、とかもっとわかりやすく表現した方が良いと思います。

著者は冒頭で地頭力を定義しようとしていますが、未知の領域で問題解決をしていける能力だとか、地頭がいいと形容されるだとか、漢字一文字で表現すると「理」だとか、定義になっておらず、著者自身の地頭はどうなんだ?と思ってしまってあんまり精読はしませんでした。

簡単に言えばフェルミ推定の紹介本です。それなら「フェルミ推定のやりかた」とかそういうタイトルにすればよいのに・・・

この本の主張は以下の3点。

①結論から考える
②フレームワークで全体をとらえる
③抽象化・単純化する

当たり前のように言われていることなので意識もしていないですが、最近仕事で、「報告・連絡・相談」のタイミングを逸するという失態を犯してしまって、①の重要性をあらためて感じました。その理由は以下の通り。

「結論から考える」というのは、仮説思考をが必要なビジネスマンには日常的な行為ですが、それが「報・連・相」を行うのに決定的に重要だと思います。自分の抱える全ての仕事の結論を、常に意識していれば、とっさに上司とあったときに、すぐに状況を報告できるということです。

「報告資料を今作っているので、できたらお伺いします」ではスピードが遅すぎます。報告しなければならないということは、判断を仰がなければならないということであり、いつそういうタイミングが来ても、報告、相談ができるように、結論を頭に置いておく必要があります。つまり、「エレベータテスト」の本質は「抱える全ての案件の結論を常に頭においているか」なのだなと思います。「冒険だと思っても、大胆な仮説をおいてとにかく結論を出す」という著者の主張にも共感するところがありました。

あと、地頭力だけでは人は動かない、つまり人は大嫌いな人からの理にかなった依頼よりも、大好きな人からの理にかなわない依頼を承諾するということも著者は指摘しています。それもそうだよなぁと思ってしまいました。