2008年7月21日月曜日

勉強法の勉強はもうやめます

帯の「もっと若いときに読んでいれば・・・そう思わずにはいられませんでした」の文言に惹かれ、本を買ってみました。

外山滋比古
”思考の整理学”

最近本当に多く出回っている、勉強、情報の取り扱いの方法論の本です。1986年の本なのですが、勉強法ブームに乗って本屋でも平積みされています。売れているみたいですね。

内容としては、学校教育で育て上げられた、受動的にしか知識を得ることができない「グライダー人間」から脱却し、自分で主体的に知識を得ていく「飛行機人間」になるための心がけやノウハウを紹介しています。

いくつかいいなと思った考え方を記録しておきます。

①昔の武術の世界では、秘術は教えなかった。師匠の教えようとしないものを奪い取ろうとする弟子だけが、いつしか飛行機人間となっていき、免許皆伝を受けた。

②朝の脳は活発で楽天的。簡単な仕事を「朝飯前」と言うが、朝飯前の時間が最も成果のあがる時間で、「難しいことも朝飯前なら処理できる」という意味だったのでは、と著者は想像する。生活を朝型にしなさい。(著者はさらに、朝飯前の時間を作るために朝飯を抜け、そうすれば午前中いっぱい仕事の効率があがる、とすら言っている)

③(著者は大学の先生なので)学生から論文のテーマについて相談があったときには、1つではなく2,3のテーマを持って研究を始めるように指導する。そうすると、独善に陥らず、独創的なものができる。

④講義や講演を聞いても、めったにメモをとらないこと。メモをとると、人は安心して忘れてしまう。つまらないことこそメモをとり、早く忘れてしまいなさい。

⑤思考の整理に最も有効なことは「忘却」である。自然忘却の何倍ものテンポで忘れることができれば、歴史が何十年もかけて行う古典化という整理を、数年でできるようになる。古典的になった興味、着想なら、簡単に消えるはずがない。

⑥誰が発案したによらず、アイデアには必ず良いところがある。とにかく誉めること。ピグマリオン効果として実証されているように、根拠がなくてもほめることが、成果につながることもある。

⑦創作へのエネルギーはとにかく代償行動で肩代わりされやすい。詩人になりたい人が出版社に勤めるなら、編集よりも発送係の方がいい。編集業務によって満たされてしまっては、詩人になれないからである。同じように、口八丁の人は考えをしゃべることで満足して、実際の行動がおろそかになりがちだ。本当に成し遂げたいことはみだりにしゃべってはいけない。

それなりに参考にはなる本なのですが、絶賛されている理由はよくわかりませんでした。勉強法の本は山ほど出版されているけど、本当に参考になる本は見たことがないな。というより、勉強法を勉強しているうちは何も成し遂げることはできないんだろうな、と反省してしまいました。

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