2009年8月9日日曜日

価格設定をおろそかにしない

ある上司の本棚に面白そうな本があったので、借りてみました。使えそうなポイントをメモしておきます。

山梨広一 "マッキンゼー・プライシング"

「顧客認知便益」を横軸、「顧客認知価値」を縦軸に整理する。原点から45度の直線を「価値均衡線(VEL)」と呼ぶ。業界に変化が発生するたびに、VELは引きなおされる。VELと自身のポジションの関係をうまくマネジメントする、「ダイナミック・バリュー・マネジメント」が重要。特にVELからの離脱は競合や顧客がどう動くかの綿密なシミュレーションが必要。

平均価格を1%下げると、営業利益は8%減少する。5%の値下げを埋め合わせるには売上を18.7%拡大しなければならない。「標準価格」から、ディーラーマージンや特別ディスカウントなどを省いた「伝票価格」さらにそこから現金割引や売り掛けコスト、現場値引きや伝票外プロモーションディスカウントを除いた「ポケット・プライス」を正確に把握し、標準価格に対するポケット・プライスのばらつきを把握した上で、それを1%向上させることは大きなインパクトがある。

企業の価格決定能力を左右するのは、市場環境、具体的には市場の競合度合い(供給側の要素)と事業機会の大きさ(需要側の要素)である。営業所間の価格格差を正しく把握するには市場環境の洞察が必要。

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