2009年5月10日日曜日

中国とつきあうには

たくさん本は読んでいるのですがブログにアップするのが手間でサボってしまっていました。

高橋基人 ”中国人にエアコンを売れ!”

ダイキンの中国ビジネスを立ち上げ軌道に乗せた人の本です。中国ビジネスの裏話が満載で本当におもしろく、よい本です。が、腹芸、寝技、袖の下のオンパレードで、真似するのは若造には無理だな・・・。たくさんのノウハウが書かれていますが、人脈と情の世界をどう制するかという話なので、もっともっと修行が必要そうです。

中国ビジネスのコツ
・ビルの建築時に「ダイキン」の名前を設計図に入れてもらうため、中国建設設計院を徹底的に囲う。囲い方は一緒に酒を飲む、旅行をする、とにかく人間関係を作る。そして会合にかならず「お土産」を用意する。
・政府高官の人事情報を誰よりも早く入手し、入手したらすぐに挨拶に伺い、その人が昇級したら再度挨拶に伺う。
・交渉の際は番頭を狙い撃ちする。番頭に取引を持ちかけ、渋ったら「今後一切御社とは取引しません」というメモにサインしろと迫る。番頭は意思決定できないので、とりあえず商品を置いてもらえることになる。
・どこの土地に行っても最初に公安局、公安局長とは仲良くなっておく。
・血縁、地縁を大事にする中国の風習を理解し、政府高官の血縁と仲良くなっておく。日本に帰ってきても関係を絶やさなければ、彼らから最新の情報が渡ってくる。
・日本人は白黒はっきりさせるのが好きだが、中国はまだら色。適当に真面目で、清濁あわせ呑み、好奇心強く、政府の役人や政治家とつきあって情報を取ってきたりロビー活動をするのを苦にしない性格でないと中国ではやっていけない。さらに、中国の歴史や文化、習慣を頭に徹底的に叩き込んでおくべき。同時に、日本の歴史や文化も理解しておかなければならない。

中国人と付き合うために理解しておくべきこと
・中国は朝令暮改の国。日本企業がある土地に工場を建て、その後その土地のインフラが整うなどして地価が上がると、道路拡張などを理由に立ち退きを迫り、渋ると共産党員を動員して嫌がらせをする。
・中国企業は自社の利益につながるならどことでも組む。日産と組みながらトヨタと組んだって不思議ではない。組んだら徹底的に利用し、技術を盗もうとする。中国でのビジネスは「情」をからませたほうが絶対に負ける。
・日本には中国政府と契約している「コアマン」と呼ばれる中国人の「日本ウォッチャー」が270人ほどいる。政府の役人に限らず民間人であっても日本に情報源を持つ人は多く、情報ネットワークがきっちりできている。
・トヨタは中国から、日本の自動車会社で最初に中国に進出しないかと持ちかけられた会社だが、その条件として図面の提供を求められ、オファーを突っぱねた。同時期にフォルクスワーゲンも中国への進出を持ちかけられたが、彼らは図面を提供した。だが、その図面は二世代も前のものだった。日本人は生真面目にとらえすぎ。それでは中国ではやっていけない。
・中国人は面子を大事にするので、「あなたにこれができるか?」という質問はNG。「没問題(問題ない)」としか返ってこない。「こういう仕事をしたことがあるか?」などと事実を問うべき。ただし、とことん付き合ったら彼らほど義理堅い人間はいない。土地柄でも異なり、北京人は面子を意識するが、上海人とのトラブルは金でカタがつく。全般的には中国は拝金主義と思っておけば痛い目にあわずにすむ。
・酒に対する考え方は日本と全く違う。まず飲ませられる。そして、酒につぶれる人間は徹底的に侮蔑される。面子を大事にするので席次には注意する。招かれたときには食事は残す。すべて食べてしまうと「食事が足りなかった」という意味になってしまい相手の顔をつぶしてしまうことになる。

中国ビジネスに「本当に」必要なことが書かれている本です。同時に、中国ビジネスの厳しさを思い知らされました。

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