2009年5月10日日曜日

ものごとは、そもそもシンプル

会社の後輩が読んでいた本のカバーがかわいかったので奪って読んでみました。

エリヤフ・ゴールドラット ”The Choice”

「ものごとは、そもそもシンプルだ」と信じることを主張しています。自然科学の分野で成果を挙げてきた筆者だからこその視点でしょうね。

・たとえば、品切れと売れ残りという問題に対して、賢い人ほど根本的な問題を「需要予測の精度向上」としてしまう。だが、これでは問題は解けない。「ものごとはそもそもシンプルだ」というレンズを通して問題にあたることで、抜本的な解決策が見えてくる。
・複雑な事象をシステムとして構造化し、根本的な問題をさぐる。現実に発生している現象の自由度はそれほど高くないことがほとんどだ。ものごとはそもそもシンプルだと信じ、掘り下げていくと、原因が収束していく。
・望ましくない状況は、「根本的な対立を解決せずに妥協した」結果であると考え、根本的な対立が何かを見出す。(たとえば、「品切れを防ぐためにたくさん注文する」VS「売れ残りを防ぐために少なめに注文する」)そしてその前提を見つけ、その前提を疑う。(たとえば、正確な数量を注文する唯一の方法は、前もって将来の需要を知ること)

・クライアントに特定の行動を提案するとき、その行動と成果の因果関係を理解してもらわなければならない。理解してもらうときには、「クライアント自身の経験」をもって検証する。そして、テストを通じてその提案の実効性を体験してもらう。
・よくできたソリューションというのは共通点がある。それは、どれもごく当たり前のことで、最小からわかっていそうなことだということ。しかし、それに気づくのは、いつもソリューションができあがってからのこと。ソリューションを完成させた後で、なぜこんな当たり前のことにもっと早く気がつかなかったのだろう、とがっかりするのが常である。

・ゴールドラット・グループのコンサルティング・フィーはクライアント企業の企業価値増加分の10%で、業績連動制をとっており、数百万ドルという契約になるのも当然である。
・ゴールドラット・グループの主催するセミナーに参加した企業は、半数程度が実際のプロジェクトのコンサルティング申し込みへとつながる。

なるほど、体系化はされておらず、ゴールドラット博士の思いつきのような本にも読めるのですが、着想として参考になる部分もありました。それにしてもゴールドラット・グループっていろんな形の「Just in Time」を、まだその手法が導入されていない企業にはめ込む、というソリューション一本なのかな。Just in Timeの導入は簡単なことではないだろうし、結果としてゴールドラット・グループは反映しているのだから、もちろん問題はありません。この本の中のわずかな事例だけで判断するのは早計ですが、問題解決というよりは、ソリューションプロバイダのようにも思えます。

借りた本なので、早く返さないと。

0 件のコメント: