久々にハーバードビジネスレビューを読んだところ、おもしろい記事が掲載されていました。
ハーバードビジネスレビュー 2008年4月号
”CSO:最高戦略責任者の役割”
CEOの役割が多様化、複雑化する中で、企業が「戦略」の最高責任者を置くようになった、という話。なかなかおもしろい。
CSOとは何か、どういう役割を担うのかを、この記事では「CSO候補の見つけ方」という形でまとめているので、そのページを記録しておくことにします。
新たな戦略を開発し、これを職能部門と事業部門にもわかるように翻訳し、組織変革を推し進められるスキルと経験を備えた人物に欠かせない、9つの個人特性・行動特性を、相対的に重要度の高いものから並べています。
①CEOの信頼が厚い
CEOから全権をゆだねられるほど信頼されていないと戦略担当はできませんね。
②複数の仕事を同時にこなせる
CSOたちには、M&A、市場調査、長期計画策定など難易度の高い役割を、最低でも同時に10以上課せられるそうです。
③何でもできる
CSOはそのキャリアを戦略プランニングで築いているわけではありません。大多数は現場や職能部門で経験を積んでいるとのこと。
④社内の花形である
CSOはキャリアの早い段階で大きな成果を収めているそうです。
⑤考える人ではなく、行動する人
これはおもしろいですね。CSOというのは戦略そのものに磨きをかける人ではなく、それを実行するリーダーだとのこと。実行が重要なのです。
⑥ホライゾン2(中期)を守護する者
経営者が注力するのは短期と長期の問題。戦略を実行するに当たっては「ホライゾン2」と呼ばれる1~4年の中期の問題が重要で、CSOはここに社内の関心を集める必要があります。
⑦影響力が大きいが、独裁者ではない
まあ、それはそうですよね。
⑧白黒はっきりしない状態でも苦にならない
不確実な未来を受け入れる能力がCSOだけでなく、すべてのリーダーに必須とのこと。私はちょっと弱い部分だな。
⑨客観的である
CEOは多少情熱的なくらいが良いでしょうが、戦略担当は冷静で客観的だと思われないといけないですね。
ちなみに、CSOに就任するまでの平均勤続年数は8年とのこと。海外企業のリサーチであり日本では事情が異なるところもあるとは思いますが、組織の戦略実行を推進する責任者となるまでに8年というのは、私にはあまりに短いように思えました。
プロフェッショナルCEOというのは戦略を立案する人だから、それは比較的短期間でも可能かもしれないと思えます。ただ、CSOとなるとわけが違います。組織を知り尽くし、人脈を組織の中に張り巡らし、組織を動かさなければなりません。そういう状態を8年でつくりあげられるものなのか?というのは、感心するというより圧倒されますね。
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