2008年8月24日日曜日

3つの時間感覚

Think!という雑誌があります。この雑誌は、ビジネス書の中で最もスキルアップの方法論に特化している雑誌だと思います。すぐに役に立つことばかり書かれてありますが、方法論に毒されてしまいそうになるので、あまり読み込むのは控えたほうがよいかもしれません。

Think! 2008年 No.25
この号で面白かったインタビューを記録しておきます。

・経済評論家 勝間和代氏
この方、もはやあらゆる雑誌で目にしますね。今回は4つのビジネス思考が大事だとおっしゃています。
①会計思考 ビジネスの言語でありすべての基礎となる。
②統計思考 シナリオをゼロイチではなく、確率分布で捉えることで、成功や失敗をまぐれで終わらせないようにできる。
③経済思考 付加価値を生むために、資本や労働力などの資源をどう配分するかを考えられるようになる。 
④マーケティング思考 顧客をいかに見つけ、いかに獲得していくかを考えられるようになる。

これらの4つの思考力をいかに獲得するかをそれぞれについて「空・雨・傘」フレームワークにのっとって説明しています。簡単に言えば、
空:学習参考書レベルで基礎知識を身につける
雨:専門家の分析手法を真似たり、ソフトウエアを使いこなす
傘:分析結果を実務に組み込み、意思決定を繰り返す

・リヴァンプ 玉塚元一氏 
キャリアアップに関する彼の持論としては、「キャリアアップにプランはいらない」ということだそう。「今これをやらなきゃだめだ」と思うことをひたすら実行する。そうすると次にやりたいことが見えてくる。それの繰り返しだということ。

シンガポール転勤、MBA留学、ユニクロ、いずれをとってもそのとき自分が必要だと思い、思い込んだらひたすら行動というのは感心します。私もGMATやTOEFLの勉強、そろそろやらなきゃな・・・と思いながら、結局ぜんぜんやってないなぁ。

・マッキンゼー 金田修氏
全然知らない人ですが参考になることをいろいろとおっしゃっていました。

・成長度合いを定点観測する
成長を毎年確認し、昨年と比べて今年の自分が成長していないと感じたら、その取り組みや役割とは決別する。

・苦手な人を恩師とする
自分の苦手な人の強みは、自分にないものであることが多く、直感的に苦手だと思う人と出会ったら、むしろ成長の絶好のチャンスと捉える。

・人になるべく会わない
自分の経験の浅さを自覚し、まず勉強し、考えることを優先し、人と合う時間があまり多くならないよう留意する。たとえ相手がどんなに好きな人や尊敬できる人でも、前回と同じ話をしているなと感じたら、それは会う頻度が高すぎるというサイン。

・自分の存在意義を見出すための行動を毎年実施する
時間軸や通常業務を超えて成し遂げたい目的に対して、何らかの行動をする。彼は昨年は、国連開発計画のアドバイザーを無償で引き受けたり、一昨年は7週間の休暇をとり、社会起業家支援を行うNPOのベンチャーファンドを手伝ったりしている。

・目の前の仕事も一歩引いて考える
数ヶ月から1年単位で取り組むことは、自分の存在意義の見出したり、最終的に実現したいこととは一致しないことを自覚する。その上で、目の前の仕事を一歩引いて考える時間を持ち、その仕事の将来を設計する。

・やるしかないと決まったら、とにかく没頭
しっくり来ない仕事に真剣になれないことはよくあるが、それは結局自分の成長スピードを緩める。 20代から30代前半にかけては、キャリアの最適解がジェットコースターのように変わる。だからこそ、キャリア戦略で一番大事なのは、自分の思ったことができない現状に言い訳をせず、今ある課題に対していかに最大限の価値を提供できるかを日々徹底的に考え、実行すること。

どんな方向でもいいから成長してしまえば、必ず次の地平が見えてくる、というのは、常々玉塚さんがおっしゃっていることとまったく同じ言葉です。この号で参考になったことをまとめると、

①人生をかけて成し遂げたいことに対して具体的な手を打つこと
②今抱えている案件について一歩引いて考える癖をつけること
③やると決めたら没頭すること

この3つの時間感覚をうまく使いこなすことだと思います。

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