2008年8月18日月曜日

流通業は合理化経営ブームか

日系ビジネスをまとめ読みしました。時間がなくて、なかなか最新刊まで目を通せない・・・

2008年7月21号 無印良品特集

無印良品事業は西部グループの西友に端を発しており、感性やセンス、文化性を重んじる「セゾン文化」という特異な企業風土を持っていたそうです。現社長の松井氏は、そういう無印に合理性を持ち込み、店舗作りの作業基準書、要するにマニュアルを作って感性に頼るやり方を一掃しま した。

「スポーツと同じで、基本がなくて最初から自己流だと、進歩はいずれ止まる」という経営哲学は学ぶべきところが大きいと思います。

セゾン文化信奉者 からの強烈な抵抗に対して、「煩悩スルナカレ」の言葉を胸に、ひたすら雑念を振り払って大なたを振るい続けたとのこと。自宅では原因不明の鼻血を何度も出 すほど悩み抜いたそうです。経営者の苦しみが伝わってきます。


同号 トヨタストラテジー

このシリーズは大変おもしろいのですが、今回はトヨタ自動車第3代社長石田退三氏が豊田英二氏を賞 賛した言葉だけ記録しておきます。

「彼はいつも気軽に作業服を着て、工場を見て歩いとる。
革靴のそこを見てみい。いつも金属の切り子が付着しとるで。
工場 に立っておる樹木の一本一本が、いつ植樹されたのかまで知っとる。
トヨタの役員でそんなに詳しいのは他にはおらんわ。」

トヨタの「現地現物」の精神がよく 表れています。他にも、「カンとコツ」つまり暗黙知を現場から次々と生み出さない限り形式知は豊かにならない、人員整理をして株価が持ち直したことを喜ん でいるようでは、経営者失格である、などなど、トヨタの哲学をかいま見るのにとてもよいシリーズです。 次回も楽しみですね。

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