2008年8月23日土曜日

飲み歩きとゆとり

今週は飲んでばかりの一週間でした。火曜は仕事仲間と19時頃から飲み始め、何次会かのダーツバーを後にしたのが朝の4時。これで一週間のエネルギーを使い果たしてしまいました。
次の日先輩がダーツの矢をプレゼントしてくれました。バーにあるものより金属っぽくて、ちょっと重いです。ツウっぽくてうれしいですね。

水曜は大学の学部時代に所属していた研究室のOBが集まりました。私は海洋関係の研究をしていたので、OBは海運会社や造船会社、研究機関勤め、大学に残って先生になってる人、みたいな方が多いです。
「なんとか号がいまノルウェーにきてる」とか、「シンガポールから1年ぶりに帰ってきた」とか、「最近の船乗りはクロアチア人が多い」とか、もう訳のわからない話ばかりですがそれでも面白かった。
今後も定期的に集まるようなので、船関係のこと、ちょっとは勉強しておこうかな。

木曜は飲み会の分を取り返すべく働き、金曜は大学院時代にお世話になった先生と赤坂サカスで飲みました。一対一で飲むことはあまりないので、いろいろと聞けてよかった。なぜか卒業してから信頼関係がいっそう深まっているような気がします。

私の先生は、大学を卒業してから会社を立ち上げ、一度は成功したものの、立ち行かなくなり、民間企業に移り、独立してフリーランスになり、過去の研究を評価してくれた人から声がかかって半官半民の研究機関に移り、それから大学に戻ってきたという紆余曲折のある珍しいキャリアの持ち主。
そんなお話を伺いながら、キャリアを形成するのは「周りの人」と「偶然性」だなぁと感じずにはいられませんでした。困っているときに、寝耳に水で著名な先生に呼び出されたり、過去に学説の違いからやりあった人が、窮地のときに助けてくれたり、ハプニングとすら思えることが人生の節目を形成していらっしゃるのだなぁと素直に驚いてしまいました。
ただ、それができたのも先生がその場その場で成果を挙げ、そしてそれを論文や発表の形で記録に残しておいたからだと思います。それが人との出会いやハプニングを引き寄せたのだと思います。

それから、日本の大学、特に理系学部の将来について大いに憂いました。今週の日経ビジネスでも、「さらば工学部」として理系の凋落を取り上げているように、どうやら日本の大学の理系学部は危険な状況になってきているようです。優秀な学生が、技術に関心を示さなくなってきている模様。大学は技術への関心を高めようと努力しつつも、逆に理系の技術離れを助長している面もあるように感じました。
学生に人気がない研究室は力を持てません。いまや学生の関心は大学での研究内容ではなくどこに就職するかに向かっており、研究室はそういう学生の関心をひくのに必死です。教授たちはポピュリストにならざるを得ないのです。

ちょっと面白かったのは、学生の質の話。今の大学3年生は、「ゆとり教育の第1世代」です。そのゆとり世代の学生が、信じられないほど優秀だということ。先生の仮説は以下のとおり。
「ゆとり教育は子供たちの学力を低下させたが、より詳細に見れば、二極化を促進し、一部の優秀層を超優秀層に仕立てた。なぜなら、優秀層はゆとり教育によって余った時間を、勉学や多様な経験など、能力を高めることに費やしたから。そして、その超優秀層は一部の大学に固まった。理系にもたくさんきている」

一部の大学が抱える、ゆとり世代の超優秀層の理系学生は、日本が技術立国として再度世界の舞台に立つためのエンジンとなる可能性を秘めています。アメリカが凋落しつつある今、日本は自立しなければなりません。金融とか貿易とか、そういうのもいいけど、やっぱり技術で立国したいと思う私は、この層にどういう教育をすべきかということに多大な興味と危惧を覚えます。

何か仕掛けられないかな・・・

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