2008年3月8日土曜日

半導体と太陽電池

今日は仕事の後、テニスをする予定だったのですが、
あいにくの雨。残念です。

で、昨日の記事に続いて、今度はシャープです。

日経ビジネス 2008年2月18日号
”太陽電池の痛恨 シャープが世界首位陥落”

太陽電池市場を牽引し続けてきたシャープが、近年生産量を落としており、
2007年とうとう首位をドイツの「Qセルズ」というメーカに奪われてしまったという話。

記事を読むと、これはシャープの問題ではなく、
「日本政府が太陽電池をどう考えているのか」、という問題であることに気づきます。

日本は太陽電池の家庭への導入費用を補助する支援制度で、需要を喚起してきました。
しかし、2005年度でこの制度が打ち切りとなり、同年、絵に描いたようにシャープの
太陽電池生産量が頭打ちしています。そして、2007年度は急降下。

一方のドイツでは、「フィード・イン・タリフ」という制度によって、太陽電池で
発電された電力を、電力会社が市場価格よりも高く買い取ることを義務付けています。 

導入費用補助と、電力買取の本質的な違いは、初期コストを低減するか、
ランニングコストを低減するか、ということです。
そしてランニングコストの低減は、初期コストを回収したあとは利益となります。
太陽電池導入の利回りが、理論的に計算できるということです。

簡単に言えば、太陽電池が「耐久消費財」ではなく、「投資対象」になるということです。

この記事では、このような太陽電池市場の変遷を半導体と比較しています。
1980年代、世界の半導体市場を技術力で席巻した日本メーカーは、90年のバブル崩壊で
投資余力を失い、その間に韓国のサムスンなどにシェアを完全に奪われました。

40年以上の研究開発期間をかけ、日本の技術でようやく開花した太陽電池市場なのに、
かつての半導体市場と同じように、その果実を得るのは海外企業、となるのは悲しいです。

記事では、「日本に残された突破口は、技術力だ」と結論づけていましたが、
私は「政策」だと思っています。

太陽電池を日本としてどうしていくのか、そのとき、どういう支援をするのか、
「補助金を出す」という発想から、「市場原理を生かす」という発想に
どう転換していくのかが、太陽電池市場で日本企業が勝ち抜くための
大きな要素になってくると思います。

最近の雑誌記事では、日本経済、日本企業の凋落ばかり目にするような気がします。
政治をどうこう言うつもりは全くありませんが、やっぱり立法、行政が、より企業活動を
活性化させるよう、努力する必要があるように感じます。

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