2008年3月31日月曜日

没落する日本

雑誌では日本経済の危機を示す記事ばかりです。

エコノミスト 2008年2月26日号
”没落する日本”

日本の経済がいかに没落しているかを定性的、定量的に示し、それから日本は没落などしないという記事が続きます。

おもしろかった内容としては、榊原英資早稲田大学教授のインタビューで出てきた「基礎的自治体」の話。市町村合併を繰り返し、人口30万人の自治体を300くらいつくり、分権を行うという方法です。厚生労働省、文部科学省などを国の機能から外し、政府は外交、防衛、財政に専念し、教育も完全に自由化して地方で競争すれば、次世代のリーダーが出てくるだろうとのこと。なるほど。

また、スイスの国際経営開発研究所(IMD)の「国際競争力ランキング」、同じくスイスの世界経済フォーラム(WEF)の「世界競争力報告書」で、日本の国際競争力の低迷が示されているのですが、これらのランキングは「現在の国力」を評価するというよりは、経済状況、技術、法制度、治安、労働市場など、簡単に言えば「企業の活動しやすさ」を評価しているというのもおもしろいですね。つまり現在の競争力ではなく、将来の競争力を評価しているというわけです。

このように、日本経済の没落をテーマにしながらも、やはり政策論の問題に帰結してしまうのではないかと感じます。企業の努力も引き続き必要なことはもちろんですが、日本経済復活のための本当の鍵は、やはり政治の世界にあるように思えます。

話はかわりますが、この記事の日本の没落を示すデータ集の中で、「世界の億万長者番付から日本人はいなくなった」ということを示すべく、億万長者ランキングが掲載されていました。1位:ビル・ゲイツ氏、2位:ウォーレン・バフェット氏は有名として、

3位:カルロス・スリム(テレフォノス・デ・メヒコ、メキシコ)
4位:イングヴァー・カンブラッド(イケア、スウェーデン)
5位:ラクシュミ・ミタル(ミタル・スチール、インド)
7位:ベルナール・アルノー(LVMH、フランス)
8位:アマンシオ・オルテガ(ザラ、スペイン)
9位:リ・カシン(長江集団、中国)
10位:デヴィット・トムソン(トムソン、カナダ)

・・・と、非アメリカ人ばかり(6位はアメリカの方)。国籍も業界もバラバラ。このランキングはちょっとおもしろいですね。必ずしも先進国企業の経営者でもないし、B to BもB to Cもあります。いったい何が起きているのでしょう。

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