2008年3月14日金曜日

会計のトレンド

週刊誌で会計関係の特集がされていました。

週間ダイヤモンド 2008/02/23号
”会計力の鍛え方”

メインは「XBRL」という技術についての話です。
2008年4月から、金融庁と東証への提出書類について、「XBRL化」が義務づけられます。
XBRLとは、eXtensible Business Reporting Languageの略で、
「各種財務報告用の情報を作成・流通・利用できるように標準化されたXMLベースの言語」
と定義されています。要はコンピュータで自動処理するための財務データの書式です。

企業にとって、XBRLの義務化は負荷の大きなものだと思いますが、一度システムを
構築してしまえば、管理会計、他社分析、内部監査などしやすくなりますし、
メリットも大きいと思います。

もっと大きなメリットを得られるのは、個人投資家でしょう。
データ整備の負荷なしに、機関投資家やプロのアナリストと、同じ条件で
企業の財務分析ができるようになるわけですからね。
逆に機関投資家やプロのアナリストには、より高度な分析が求められるようになります。
財務情報を提供するサービス業などは、仕事自体がなくなってしまうかもしれません。

研修の世界でも、最近「会計」がトレンドになっているようです。
グロービスでは会計や財務の受講者数が伸びているそう。

記事では、社員の会計力を強化している、キョーリンという会社の事例が紹介されています。

 ・経理部主催で、社員なら誰でも参加できる勉強会
 ・社員向けの決算説明会
 ・管理職向け研修に自社の会計状況について分析するプログラムを追加

なるほど、よい制度だと思います。社員一人一人が会計を意識しますね。

最後は管理会計の話。有名な村田製作所と京セラの管理会計が紹介されていました。

村田製作所
 ・製品別の軸と工程別の軸で経営管理ユニットを細分化し、それぞれのユニットを
  独立採算の事業体と位置づける「マトリックス経営」
 ・製造原価の内訳を細分化して徹底的にチェックする
 ・製品ごとにP/Lが作成されている(作成されるP/Lはグループ会社で90強程度)

京セラ
 ・組織を約3000の小集団に分割し、それらがまるで別々の中小企業のように、
  融合したり切磋琢磨する、「アメーバ経営」
 ・製造などにかかったコストを積み上げて原価計算を行うのではなく、
  製品売価から特定の原価率をかけることで行い、利益を意識した原価管理を行っている
 ・付加価値を「総出荷-社内での購買-経費」と定義している
  (つまり、各アメーバの責任者ではコントロールできない「人件費」の影響を受けない)
 ・そうして定義された「付加価値」を「労働時間合計」で割ることにより算出される
  「1時間あたり付加価値」を管理している

ここまでやってるから、賞賛される健全経営を維持できるんだろうなぁ。

最後に管理会計の重要性についてのコメントです。

「企業経営を航海にたとえるなら、財務会計がその船の過去の航海記録であるのに対し、
管理会計は、これから目的地に向かって船をどう安全に航行させればいいか
それを判断する計器類のようなものといえます。」(公認会計士 林總氏)

京セラの稲盛さんも同じことを言っています。ただ、稲盛さんのメタファーは、
「飛行機のコクピットの計器類」でした。

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