2008年2月20日水曜日

変わるマーケティング

日経ビジネスの2008/2/4号で、
マーケティングに変化が起きているという、
おもしろい記事が載っていました。

 個人の消費の冷え込みが止まらない中、
 「ヨソより安く」「ヨソより便利に」という
 消耗戦の先に希望はない。
 業界の常識にとらわれない伏兵が
 市場を奪い取る。

その例として、

・ヤマダ電機:家電量販店で自動車を販売
・ニューデイズ:駅から0mでセブンイレブンを上回る
・マクドナルド:外食/中食の定義を超えて市場を定義
・セブンイレブン:店内調理に注力
・スターバックス:クマ(ベアリスタ)のぬいぐるみ販売
・ビックカメラ:調理器具を実演する「キッチンスタジアム」
・御殿場アウトレット:不便な立地でレジャー感覚を演出
・トレッサ横浜:商業施設と自動車販売を一体化した「オートモール」

マーケティングの世界にはいろいろな新語が
誕生しているようです。

・ストマックシェア
 人が食べられる量は限られていて、
 消費者はお腹が減ったとき、必ずしもレストラン同士を
 比較しない。外食、中食の垣根を越えた競争に
 勝つことが必要だという考え方。
→マクドナルドやセブンイレブンはこの発想ですね。

・ウォレットシェア
 一人ひとりの財布に入っている所持金は
 限られていて、どうすれば「快適な経験をした」と
 消費者に感じてもらい、より多くのお金を出して
 もらえるかという考え方。
→スターバックス社内では、この言葉が社内で
 飛び交っているそうです。

・タイムシェア
 消費の主役といわれる、団塊ジュニア世代が
 週に一度、家族と過ごせる限られた休暇の時間を
 どのように勝ち取るかという考え方。
→家電量販店や、アウトレット、オートモールなど
 全ての販売店、サービス店が競合になりうるということですね。

このようにいろいろな「シェア」の考え方が生まれるのは
「マーケットを定義しなおさないと競争に勝てない」
「競合相手と戦っているうちに、伏兵に全部持っていかれる」
ということなのでしょう。

特集のまとめで、楠木さんという大学の先生が
次のような考察をおっしゃっていました。

 モノが不足していた時代は、「機能」の高まりが
 そのまま「価値」として認められていた。

 だが、機能と価値は本来別物であり、
 機能は「できること」
 価値は「良さ」
 である。

 モノがあふれる中、消費者は機能の高さだけでは
 価値を感じなくなってきている。

 だが、「消費者自身も」何に価値を感じるのか
 回答を持っていない。

 企業は常に競争にさらされており、
 経営者は他社との差別化を目指し
 「機能」を高めようとする。

 だが、「価値」を生み出していなければ
 需要を喚起することができない。

 問題はマーケティングの巧拙にあるのではなく
 経営判断の問題と認識すべきである。

競合他社をいくらベンチマークしても、
競争には勝てないということですね。

でも、「価値」って言われてもわかりにくい・・・

先述の小売・サービス業の例であれば、
「非日常の経験」「感性への訴求」ということになるかと思います。

コールドストーン・クレーマリーの店員さんが歌うのも
クリスピー・クリーム・ドーナツが製造プロセスを見せるのも
よく似た例ですね。最近はそういうのが多いです。

企業はますます頭をひねらないといけませんが、
消費者としては、いろんな楽しさを味わえて、ありがたいですね。

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